シャーリーズ・セロン

マッドマックスシリーズの『怒りのデス・ロード』に出演し、主要キャラクターの一人であるフュリオサ役を演じた、シャーリーズ・セロンについて解説します。

シャーリーズ・セロンの経歴

彼女の母語は英語ではなく、南アフリカ共和国の出身です。モデルとして活躍し始めたのは16歳の頃からで、最初はバレエダンサーになるのが夢だったそうです。

しかし膝の怪我してしまい、バレエの道を諦めることに。以降は俳優を目指して活動をしていたそうです。ある時、母親から送ってもらった小切手を現金化しようとしたものの期限が切れており、激怒して銀行員と衝突。その様子を見ていたマネージャーにスカウトされたのをきっかけに、俳優としての活動を本格的に開始します。「怒り」の表現がきっかけでスカウトされたシャーリーズ・セロンは、まさしくマッドマックスの”怒れる女性”フュリオサを演じるのに十分な素質を持った俳優だったのかもしれません。

『2 days トゥー・デイズ』で映画デビューを果たし、広く名前を知られるようになりました。アカデミー主演女優賞を受賞した『モンスター(2003)』以降は、役に対して自身の肉体を作り込むほどの演技派女優として知られています。

徹底的な役作り

シャーリーズ・セロンは役作りのための肉体改造が顕著な俳優です。役者であれば多かれ少なかれ体作りをしているはずですが、彼女は痩せるだけではなく太ったり筋肉をつけたりと壮絶なまでのトレーニングで体を仕上げてきます。彼女にとっては、「体重を増やす役、痩せる役、鍛えなくてはいけない役であれば、そのように体を作ることも仕事である」というスタンスなのです。

例えば、『プロメテウス』ではピチピチのコスチュームを着るために、腹筋をバキバキに割っています。男性と異なり、女性が腹筋を割るのはかなり厳しい食事制限とトレーニングが必須ですから、これだけでも尊敬せざるを得ないエピソードですが、シャーリーズ・セロンのこだわりはここで終わりません。

『タリーと私の秘密の時間』で彼女に与えられたのは、出産直後の母親。出産してまだ体型が戻りきっていない女性の体に近づけるため、3~4ヶ月で肥満体型になり、それを維持し続けました。

強く逞しく美しい演技派女優として知られるシャーリーズ・セロンですが、彼女の演技がしっくりとハマっている役として『怒りのデス・ロード』のフュリオサは外せないでしょう。荒廃しきった世界で逞しく生きる隻腕の女戦士を演じるため、自分から「頭を丸刈りにしてはどうか」と提案するほど、一つひとつの役に対して真剣に取り組む俳優です。

彼女とトム・ハーディはマッドマックス撮影中こそ犬猿の中だったそうですが、お互いに認め合う役者同士。もし叶うなら、また『マッドマックス』で活躍する姿が見たいですね。