メル・ギブソン

マッドマックスシリーズで、初代マッドマックス、マッドマックス2、サンダードームまでの主人公・マックスを演じたメル・ギブソンについて、こちらでは解説しようと思います。

メル・ギブソンの経歴

メル・ギブソンは、俳優や監督としての才能を発揮していましたが、少々過激な思想や発言を繰り返したり、DVで有罪判決を受けてしまったりと苦難の人生を送っていた俳優でもあります。

メル・ギブソンは、『マッドマックス』の主役を勝ち取りました。今でこそマッドマックスはディストピア物としての地位を確立していますが、当時はほとんど無名の監督だったジョージ・ミラーのもとで、低予算で作られた映画であることも有名ですね。

『マッドマックス』当時のメル・ギブソンの出演料は、日本円にするとだいたい200~300万円ほどだったそうです。しかしマッドマックスの世界観は大いに受けてヒットを飛ばし、メル・ギブソン自身も人気アクションスターとしての経歴をスタートさせました。

映画監督としてもデビュー

人気を博していたメル・ギブソンは映画監督としてのチャレンジも始めます。わずか2作目でスコットランド独立戦争をテーマにした歴史物『ブレイブハート(1995)』を世に送り出し、監督としても大いに評価されます。

ただし、3作目から風向きが怪しくなってきます。3作目『パッション(2004)』はイエス・キリストをテーマにした作品でしたが、敬虔なカトリック信者であるメル・ギブソンはイエス・キリストの拷問シーンをあまりにも生々しく(というか聖書のとおりに)描き、賛否両論を起こします。

ブレイブハート、パッション、そして2年後に『アポカリプト(2006)』を発表しますが、いずれも凄惨で、デリケートな問題に対しあまりにもストレートに切り込む作品です。数字の上では成功を収めますが、メル・ギブソン本人の映画界隈での立ち位置は微妙なものになっていきます。

悪い意味でも注目されるようになってしまったメル・ギブソンに、DVや差別主義的な発言といったスキャンダルをおおっぴらに取り沙汰されるようになったのは、必然だったのかもしれません。

スキャンダルでどん底にありながらも、なお手を差し伸べてくれる人々がおり、彼らの力を狩りてメル・ギブソンは復帰を遂げます。彼は復帰するやいなや、『ハクソー・リッジ』や賞レースに参加する良作を作成しました。演者としても、監督としても才能にあふれる人であるメル・ギブソン。今後の活躍も楽しみな方の一人です。