マッドマックス サンダードーム(1985年)

マッドマックスシリーズの3作目となる『マッドマックス サンダードーム』。この作品はシリーズの中でも賛否両論が大いに分かれており、「マッドマックス?見たいけど当たり外れが大きいらしいし…」と言わしめているほどです。

そんな感じで少しだけ影の薄い作品ですが、今回は『サンダードーム』の良さを語りたいと思います。

マッドマックス サンダードームのあらすじ

マッドマックス2の世界では、核戦争で世界はすっかり荒廃しています。この時代は、核戦争から15年が経っています。

女帝アウンティ・エンティティの支配する街・バータータウンでは、サンダードームで繰り広げられる死闘に熱狂する日々を送っていました。サンダードームで戦う戦士を求めていたアウンティ・エンティティは部下たちにマックスを襲わせ、巨人のプラスター、小人のマスターと戦うことを強いられます。こうして、マックスは命を懸けた戦いに立ち向かっていきます。

人間ドラマ多めでチェイスシーンが少ない

さて、サンダードームがなぜ一部から不評なのかといえば、これはシンプルに考えて良さそうですね。

この作品は、マッドマックスシリーズのお約束でもあったバイクやクルマでの胸アツなチェイスシーンがほとんどないのです。どちらかというと人間ドラマに焦点が当てられている作品なんですね。それで、マッドマックスシリーズと「爽快感」を紐付けて考えていた一部のファンからあまり好ましく思われていないという背景があるのです。まあ、マッドマックス1~2までの思い入れが強いと「マッドマックス感」が薄れてしまったと感じるのでしょう。ただ、この映画を単体で見るとエンターテインメントとして面白いなと今人的には思います。

この時期は、ジョージ・ミラーの友人でありマッドマックスのプロデューサーでもあったバイロン・ケネディが急死してしまった時期で、その影響は少なからず作品に影響しているとは思います。

英雄とは何か?

マッドマックス2から、主人公・マックスの存在はこのような疑問を視聴者に投げかけます。「英雄とは何だ?」と。マッドマックス2で典型的な英雄譚のストーリーになぞらえていました。今回は、マックスが子どもたちのヒーローとなっています。しかし、マックスはただ放浪しているだけの元警官に過ぎません。

だからこそ、他人のために動こうというつもりもないわけで、その点は一貫していますね。英雄とは一体なんなのか、あらゆる視点で模索して表現しようといるようにも見える作品です。